過去公演

2016年9月

匿名劇壇第八回本公演

「戸惑えよ」

 

アートグラウンド cocoromi

 何も感じない男が一人。どうやら感情を失ったらしい。
彼は何も感じない。
道端でガムを踏んづけたときも、
道端で千円を拾ったときも、
宇宙人が攻めてきた昨日も、
遠い惑星に恋人が連れ去られた今日も。
そして多分、
助けてと叫ぶ声が彼方から聞こえる明日も、
彼は何も感じない。
これはそんな彼を叱責する物語。
何かを感じろ感じろと、
世界が脅迫する物語。
たった一人の女の子が、
「何も感じなくたっていいじゃないか」と
主張するまでは。



2016年2月

フラッシュフィクション公演vol.2

「OPEX」

 

カフェ+ギャラリーcan tutku

YAMIKOは仕事終わりに180円の切符を買って、京橋から弁天町に向かう。駅で280円 のサンドイッチと、120円の缶コーヒーを買って電車に乗る。 電車の中では割れたiPhone5sに980円のイヤホンを指して、Youtubeから無料 でダウンロードしたお気に入りの音楽を聞く。198円のあぶらとり紙で顔を拭いて、電車を降りてコンビニに立ち寄る。98円のオリジナルブランドの水を 買って、そのまま稽古場へ向かう。3時間で1800円の使用料金を支払って、部屋の鍵を開ける。そこで5000円程度の仲間たちと、3000円のチケット 料金の演劇作品の稽古をして、10000円分くらいの満足感を得て、3枚で150円の安いタオルで汗を拭う。2000円で買ったくだらない劇団のTシャツ に着替えて、298円均一の居酒屋へ向かう。色のついた泥水みたいなお酒を、身体に流し込んでいく。430円に値上がりした煙草に火をつけて、800円く らいの彼氏に内緒で900円くらいの男と駆け込んだホテルの100円もしなさそうなライターをテーブルに置く。5000円くらいの仲間たちと、熱く夢を語 り合う。 「いつか、この劇団でシアターBRAVAを埋めたろうや」 そして2016年春、シアターBRAVAは閉館した。 YAMIKOはこの子供の頃の500円玉みたいな幸せを、大人になってコイントスしてみることにする。この作品は、そのコインがくるくると回る様を、走馬灯のように描いていくものである。 表が出ても裏が出ても、YAMIKOはもう、だめだった。



2015年12月

第七回本公演

「プレゼントタイム・ハローグッバイ」

 

三重県文化会館 小ホール

HEP・HALL

 

宣伝美術:

堀川高志(KUTOWANS STUDIO)

出会うはずのない二人だったから、
始まるはずのない恋だった。
事実、それは始まったとは言いがたく。
思春期特有の思い込みといえばそれまでだし、
そもそも二人はお互いの顔すら知らなかった。
ただ、壁越しに会話して、強く会いたいと思うようになった。
会えるはずもないのに。
きっと、この恋は終わらない。

だって、始まってないわけだから。



2015年5月

第六回本公演

「悪い癖」

 

AI・HALL

 

宣伝美術:二朗松田

あたしは人の話を聞かない。

あたしはあまり謝らない。
あたしはたびたび遅刻をする。
あたしは秘密を守らない。
あたしは、あたしの話しかしない。
あたしの癖に。

柳瀬真由が夢見るとても幸せな日常と、それとはかけ離れた毎日を、スクランブルさせつつも真正面から捻くれて描く。



2014年5月

第五回本公演

「二時間に及ぶ交渉の末」

 

シアトリカル應典院

 

宣伝美術:二朗松田

空気清浄機を安く買いたい客と、炊飯器を買わせたい店員。
地球を滅亡させたい宇宙人と、守りたい地球人。
ザ・リッツカールトンの屋上から飛び降りたい自殺志願者と、
それを止めたいOL。
劇団を辞めたい女優と、辞めさせたくない主宰。
人質をとった立てこもり犯と、若手ネゴシエーター。
別れたい彼氏と、別れたくない彼女。
怪人を殺しにいきたいパープルと、制止するレッド。

以上、七つの現場から「交渉」をお送りいたします。



2013年11月

フラッシュフィクション公演vol.1

「Jerk!!」

 

カフェ+ギャラリーcan tutku

 

宣伝美術:二朗松田

松崎友松は平成25年3月にK大学芸術学部演劇学科を卒業した。卒業式のあと一旦帰宅し、学友会活動功労賞の紙切れと、最優秀学生賞の置き時計を押入れにしまいこんで、一万円分の図書カードを金券ショップで換金してから謝恩会へ向かった。その後、後輩の浅井奈緒美と二時まで酒を飲み、四時まで遊び、六時まで寝て、八時に帰った。平成25年6月、松崎友松が主宰する劇団が大阪演劇祭に参加し、第三回本公演を実施。優秀劇団に選出された。舞台美術を解体中、パチンコ屋で二時間さぼり、二万円を失う。その後、打ち上げに向かい、十二時まで飲んだ後、その日知り合ったカメラマンの平山文絵とホテルに泊まった。平成26年8月26日に借金が百万円を越えた。同年10月、ピンサロで出会った仲野遥子と交際を始める。平成27年5月に劇団員四名が脱退。松崎友松の自己満足に費やした五年間を返せと罵られる。同年8月、劇団員は松崎友松のみとなる。大町戯曲賞で佳作に選出。賞金の五万円で虫歯を治療。平成28年2月、仲野遥子の妊娠が発覚する。同年3月に破局。警備員のアルバイトを突如解雇され、借金の返済に困窮する。平成29年、入院。平成30年、西成区の編集プロダクションディライトに就職。浅井奈緒美と結婚。平成32年、東京オリンピック開催。同年12月、文京区在住大塚紗枝の自宅で首吊り自殺。 この作品は、松崎友松がここからここまでの間に、見たこと聞いたこと感じたこと、あるいはそれらとは全く無関係なことを、断片的かつ無作為に抽出し並べたものである。 自分勝手に、不随意に。 Jerk!!



2014年3月

第四回本公演

「ポリアモリー・ラブ・アンド・コメディ」

 

芸術創造館

 

宣伝美術:二朗松田

〈一日目〉共同生活を送る七人の男女は、それぞれがそれぞれを愛し、どこまでも平等に恋愛関係にあった。例えば南目は、宮崎、姉川、貴船と交際関係にあり、全員の了解を得ていた。例えば宮崎は、南目、古関、藤北と交際関係にあり、全員の了解を得ていた。「全員が全員と付き合っている」、彼らはそういう関係にあった。また、「全員が全員と付き合っている」という状況であるからこそ、彼らは問題なく暮らしてこられた。そこへ、宮崎の紹介で春本新太郎がやってくる。関係は均衡を失い、崩れ始める。〈二日目〉春本新太郎の入居パーティを行う。古関六花が春本新太郎へプレゼントを贈る。それを宮崎佑が「平等ではない」と指摘する。宮崎佑の古関六花に対する態度について、南目紬と姉川晋が疑問を持つ。〈三日目〉家賃の支払日。貴船寛治が藤北七瀬から金を借りる。藤北七瀬は姉川晋から金を借りる。姉川晋は南目紬から金を借りる。南目紬は古関六花から金を借りる。古関六花は宮崎佑から金を借りる。宮崎佑は春本新太郎から金を借りる。春本新太郎は家賃が払えなくなる。月瀬渚がお金を貸す。〈四日目〉貴船寛治が藤北七瀬に対して暴力を振るっていたことが発覚する。〈五日目〉古関六花と春本新太郎の親密さが増す。〈六日目〉姉川晋が貴船寛治に対し、藤北七瀬への暴力を止めるよう促す。〈七日目〉そんなふうにして、じたばたしながらいつまでも続くと思ってたよ。俺は。



2013年5月

第三回本公演

「気持ちいい教育」

 

場所:シアトリカル應典院

 

                 宣伝美術:二朗松田

 

時間をずらせば見えてくる、悪意と作為、それまでの経緯。
頭が悪すぎるのも、頭が良過ぎるのも問題である。
そのクラスは、いずれにせよ極端な生徒を隔離するために作られた特別教室、[イコライズ]。
方向は無関係。
その距離が、正常値を超えないように、教育する。

そんな話を書こうと思う。 と、ここまで書いて気が付いた。 学校なんてものはいつだって、そんな場所だったじゃないか。 ゆとりある、痛くない、気持ちいい教育を施そう。

時間軸を自在に編集、タイムスパイラル演劇を作る。



2013年3月

第二回本公演

「終末の予定」

 

場所:近畿大学アート館

 

宣伝美術:金谷耀

この演劇は、地球、宇宙、あるいは世界の終わりの、
その一時間前を描くものである。

しかしこれはいわゆるパニックものではない。
何故なら終末は22年前から予測されており、
ここにいるのは、そ れを既に受け入れきった者たちだからだ。

皆、やることがないと呟く。

時間は刻々と進んでいく。



2012年5月

第一回本公演

「PUNK HOLIDAY」

 

場所:ウィングフィールド

 

宣伝美術:金谷耀

 

 

1.これは会話劇である。

2.会議を行う六つの会がある。

3.六つの会議のそれぞれの会話は「前後のテクストで固定されることなく」、「同時」に「並列」に存在する。

4.会と会議をシームレスに移行することにより、それは可能となる。

5.情報量が劇空間に飽和した時、耐え切ることなくPUNKする。

6.PUNKしたら、再構築。



2011年5月  旗揚げ公演「HYBRID ITEM」

 

場所:近畿大学アート館

 

宣伝美術:福谷圭祐、碇真人

1.SISTER
2.BOLT  
3.恋愛についてのアンケート  
4.受験戦争  
5.shuffle  
6.KINGS  
7.HYBRID
7つの物語は、連続しているものではない。 しかし、全く別の物語でもない。 それぞれの登場人物の感情のみが一致し、それを除く時間と空間がすこしずつずれているのだ。 彼らのいる世界に関連性はないが、彼らの言動のみが一貫している。 つまりこれは役者の物語である。 彼らは役を演じるのではなく、その関係を維持しようと努力するのだ。 似て非なる世界へとなだらかに移行するこの舞台において、彼らは役者同士の関係を一致させようとし、 それは物語の破綻、あるいは曲解へと繋がっていく。



【短編作品】

[2011年]

エロロックフェスティバル`11「伊藤丸あい子のめくるめく願望」

LINX`S03「救世主」

[2014年]

LINX`S PRIME 「夢の忘れ物」「ハイパーフィクション」

gateユース「奇跡と暴力と沈黙」

30×30「リーディング・ハイ」

[2015年]

トークライブイベント「匿名劇壇の談」

[2016年]

中之島春の文化祭「ライトノベルが止まらない」